- 2008-07-19 (土) 18:23
- 七尾旅人
[Disc 1]
1.息をのんで – ★★★★
アコギの弾き語りで、三拍子の曲。
「つれづれなるままに」と言った感じでゆったりと曲が進んでいく。
脈略も何も無い転調が、良い。
スタジオの空気がそのまま伝わってくるような、衣擦れまで聞こえる録音です。
2.エンゼルコール – ★★★★★(+★)
シングル曲。
何を言っているかわからない、歌詞カードを見ても何を言いたいのかわからない。
しかし、兎に角美しい。
打ち込みのアレンジが良いです。こういう曲が味があってよい。
旅人君にしては単純な進行の曲。カーティ。
3.耳うちせずにいられないことが – ★★★★★(+★)
カオティックでヘヴィーなギターを前面に押し出している。
ギターはもの凄く粗い音で(どうやって出しているんだろうか)、ぐいぐいと曲を引っ張っていく。
バックはほぼループなのだが、全く単調に感じない。
ただ、多少アレンジが濃すぎる感がある。
4.わぁ。 (驚きに満ちた小さな悲鳴) – ★★★★
耳をこするようなノイズ。
打ち込みのドラムに左右に揺れるバックのSE。
つかみ所の無いAメロに、まるで天上より降る雪のようにほろほろとしたサビが対比されていて良い。
5.天国北上 – ★★★
ほぼインストみたいな感じ。
シンセ+左右から襲い来る旅人先生の語り。
これが5分続くとなるとさすがにキツいが…。
6.ハーシーズ・ムーンシャイン – ★★★★
イントロ、ゆったりとしたドラムトラックから入り、「ん?」と思うが、スネアがフェードインして、スピード感ある展開に酔える曲になる。
中間部、思い切りリヴァーブをかけたギターがガツンと旋律を奏でる部分が良い。
7.リトルエクスタシィ – ★★★☆
気だるい曲。
この曲かけながら寝れます。
チルな雰囲気で良い曲。ただインパクトはさほど無い。
8.泡と光 – ★★★★
フェードインのイントロがなかなか好き。
打ち込みのドラムと、フィルが良い。
集中して聴いてみると、いろいろとステレオで音が振り分けられたりしていて、楽しい。
9.「横浜市立阿龍公園」 – ★★★★☆
せわしないギターが良い。
メロディーが綺麗だ。
なにげに裏でコードをならしているシンセがいいですな。
10.h.b – ★★★★☆
シングル「夜、光る。」のカップリング曲。
三拍子をかなり崩したような構成が印象的。
ループする音に、ボーカルの脱力感がマッチ。
高音で奏でられているキーボードと、コードを奏でているトレモロのキーボードが良い。
11.夜光る – ★★★★★(+★)
シングル曲。
かなり速いテンポの打ち込みのビート(ドリルンぽい)に、ソリッドなギターが浮かんでいる。
決してキャッチーではないのだが、どこか耳につく旋律が印象に残る。
間をあけず転調する展開が良い。
「ヘリコプター…」が終わった後から始まる、後半のキラメく感じは必聴。
最後に半音だけ音を上げる展開がもの凄く良い。
12.ブルーハンティング – ★★★★
リズムを重視している感じの曲。
ドン、ドン、というドラムのリズムがいい。
キーボードが左右に揺れていてなんだか気持ち良い。
13.だんだん夢みたい – ★★★★☆
イントロからAメロへのつなぎがわけわからないw
なんだ、この転調は、と言った感じ。
三拍子で脱力しながら進む。チルしていける。
14.これは花びらかな、そうじゃないかな – ★★★★
歌い方が比較的はっきりしている感じ。
彼の曲は、拍子と言う面においては、きっちりとしているんだけど、フレージングと調性と言う面に関しては全く不規則で、そこが魅力。
15.チーク – 採点無し
1分のインスト。
意味がわからないカオスな空間が広がっています。
ゲームの「ゆめにっき」みたいに謎だ。
16.ブラインドタッチ – ★★★★
ガリガリのリズムとベースが良い感じ。
こう曲のようなメロディーを考える彼は凄いと思う。
サビとかがわからなくて単調と言えば単調だが、そこが良いと言えばそこが良い。
17.シュリンプ(ガリバー6) – ★★★★★(+★)
前曲のガリガリのリズムから切れ目なく引き続く。
拍子の分け方が巧妙。
ディスクの最後にこういう暗めの曲を持ってくるのが良い。
「正気な奴いないか」のあとでいきなりドバっと音がなだれ込んでくる展開も何とも言えない。
[Disc 2]
1.最終電車で海へ行こう – ★★★★★
ピアノが美しい曲。
壮大で爽やか。ディスクを変えた途端に雰囲気ががらりと変わる。
2分ちょっとで終わってしまう。
良く聴くと、「銃声が三発響いた」で、「デュンデューン」と銃の声真似をしているのが笑える。凄い。
2.反吐、反吐、汽車 – ★★★★
全曲とセットになっている感じで、続けて演奏される。
雰囲気は似ているが、和音がやや不協和。
3.「潜水バースディ」 – ★★★★
題名通り、水の中に潜っているようなベース音と、くぐもったリヴァーブのボーカルが特徴的な曲。
Aメロは短調だけれど、雰囲気は決してダークではない。
サビで一気に視界が開けるように明るくなる。
4.ウィッグビーチ – ★★★★☆
ホーンだけが鳴っている、ささやかなAメロから始まる。
この曲はささやかに、こぢんまりとしているBメロが美しすぎる。
そこから一方向にぐんぐんと広がっていく曲調も良い。
5.頭上の水面 白 白 白 – ★★★
インスト。
あぶくがはじけるようなぶくぶくとしたサウンドエフェクトが特徴的。
6.大きなベイベ – ★★★
イントロの語りがあんまり。
この曲に関してはあんまり好きじゃないかも。
曲が一方向にだけ向いている感じがする。
7.天使が降りたつまえに – ★★★★★(+★)
名曲。。
全体的に脆くて美しすぎる。
まるで天上。
何故サビでこのような転調をするんだ!と、つい拳を握りつつ感動してしまう。
#3から#6まで水中をぶくぶく行っていたのを、顔を出してはっと息を吸ったような高揚感。
8.ヒタ・リーを聴きながら – ★★★★
アルペジオで急速にチルしてゆける曲。
こういう曲が旅人君の醍醐味だったりしますね。
9.ラストシーン – ★★★★★
石野卓球氏がバックトラックを担当。
PVがカオスで良いのです。ゼヒ見てください。
卓球さん独特の打ち込みが光るバックトラックにささやきのような旅人君のボーカルが乗っかります。
感想の大味なドラムが好き。
10.昔の発明 – ★★★★☆
アコギを前面に出している曲。
どこか拙い感じのアコギが可愛いです。
「全人類紅葉してしまえ」という歌詞が気に入ってます。
11.赤い星 (サーチンソール) – ★★★☆
前曲と似たようなコンセプト。
前曲よりループが多用されている感じ。
転調無しでぐいぐいと曲が進行していく。
12.バンブーズ – 採点無し
問題作ですね。
実験的過ぎて何も言えません。
13.Neon – ★★★★★(+★)
#10〜#12のどこかどよどよとした空間を抜けた、シンセのイントロで凄く感動する。
ファンクなギターにぽこぽこのリズムと、そのあとにつづくBメロ、間奏が綺麗だ。
14.グライドしてた – ★★★★☆
前曲に続いて演奏。
ベースラインが好きな曲です。
全体的にループしている感じ。実験的ながらもキャッチーです。
15.完璧な朝 – ★★★★☆
まるでそぞろ歩きをするようなリズムで、美しいままに進む。
「起きてやるもんかかかかかかかか」という向井秀徳さながらの人力ディレイが特徴的。
Bメロの美しさはなかなかです。
16.真夜中2時→ – ★★★★
落ち着いた雰囲気。
このアルバムのなかで珍しく、普通の4拍子で、フレージングもまあまあ普通。
ピアノを中心において、そこにストリングスとかがかぶさる感じのバック。
17.ナイト・グロウイン – ★★★☆
高音で漂うストリングスと、下でぼよぼよと鳴っているベースとのギャップが良い。
またループするような曲の展開。
間奏のコーラスのギターが良い。
18.「生涯の秘密」 – ★★★★★(+★)
美しい…。
4拍子のAメロと3拍子のサビがもう…ね。
最後にこの曲は反則です。
このアルバムを美しさとちっぽけさでぎゅっと凝縮させてジ・エンドです。
感想 – ★★★★★(+★)
ファーストアルバム「雨撃」からキャッチーさと弾き語り成分を取り去って、芸術性と実験性と打ち込み成分を高めた。
一曲一曲としてはループを繰り返したりするワンパターンなものも多いものの、そのループは何度も何度も繰り返して聴けるほどの中毒性を孕んでいる。
アレンジがヘヴィーで内閉的なので、その部分で引きこもりっぽく感じてしまう部分もある。
しかし、その内閉的な部分こそが彼の持ち味であり、曲の美しさなのだ。
二枚組というボリュームのなかに、たくさんのことが凝縮されて、お腹いっぱいです。
いままで30回くらいリピートした、そのくらい好きなアルバムです。
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