- 2007-07-06 (金) 19:26
- Books
小説のレビュー。
村上春樹氏(以下敬称略)の「海辺のカフカ」。
村上春樹はある意味「内閉的」な作品を書くヒトだと思う。
若者が心の奥底に隠している「魔物」のようなものを、その文章によって抉り出して、晒し出していると思う。
それがウケる理由じゃないかな。
たまに外に飛び出したりする作品も書くのだけど、そちらも何とも言いようのない寂しさに満ちている。
この「海辺のカフカ」という作品は、前者のパターンと後者のパターンが入り交じっているように思える。
主人公である15歳の少年は、家出をする。
というわけで少年は、「外の世界」へと旅立っていく。
少年は「直感」で四国に行くことになるのだが、そこで宿命的な出会いが待っている…。
| 海辺のカフカ〈上〉 | |
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| 海辺のカフカ〈下〉 | |
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この作品は、読み手の取り方によってどうにでもとれる作品だと思う。
上に貼付けたAmazonのレビューでも、「これスゲエ!」から、「ダメでした…」まで、様々な評価がある。
(ちなみに僕は、「これスゲエ!」に一票。)
だけど、上巻のレビューが低い評価なのに対し、下巻のレビューは高い評価である。
これは、「最後まで読めよ、そこから始めよう」というタイプの小説なのだろう。
確かに、最後まで読まないと「??」と思ってしまうところもある。
(最後まで読んでも「??」と思うところもあるのだけど)
この作品では、「形而上学」というのが一つのキーワードである。
人と人とのつながりというのがその一つ。
主人公の少年と大島さん、佐伯さん、さくら、ナカタさん、ホシノさん、それと、ラストの不気味な「白いもの」。
よくも悪くも、それらは一つの線でつながっている。
そのことによって、村上春樹独特の読後感、どこかスッキリしないあの感じ、(はっきりしない曖昧な映像)が増しているんじゃないかなあ。
この作品は、二つの物語が同時に進行し、小説の終盤にやっと交わる。
少年がいた図書館にホシノさんとナカタさんが訪れるのだが、そのときにはもう少年は図書館から去ってしまっている。すれちがい。
でも、そこになぜかある種の爽快感が生まれている。
「やっと到達した」的な。
僕はこの作品がけっこう好きです。
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何とも理解しにくい作品。
世界で一番タフな15歳?
意識と潜在意識の境界領域を刺激する村上ワールド

