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村上春樹 – 「うずまき猫のみつけかた」

村上朝日堂ジャーナル うずまき猫のみつけかた (新潮文庫)うずまき猫のみつけかた

僕は村上春樹さんの書くエッセイが好きで、猫が好きなので、このエッセイが好きだ……、というわけではないけれど、好きなエッセイです。
彼の書くエッセイは、凝り固まっていないと感じることが多くて、つまり、小説家としてではなく、一人の人間としてナチュラルに原稿用紙に向かっている印象があるのです。
生活感とかが真摯に伝わってきて、ほんわかします。超時間的なスゴさすらある。

ただ、この本に関しては、「紀行」とか「考察」ではなく、「日記」的な文章が中心なので、それらを求めて読むと「あれ?」と思うかも知れません。
僕は好き。またこういうものを書いてほしい。長編も楽しみにしています。

村上春樹 – 読みやすさ(勝手な)ランキング

村上春樹が好きなので、これから読まれる人の為に勝手に読み易さランキングでも付けてみたいと思います。
長編小説に限定して、内容の理解し易さをランキングにしてみました。
正直個人的な感情も入っちゃうランキングです。
参考程度にしてくだされば嬉しい。

1.国境の南、太陽の西
流れが途中で変わること無く続いていく、一人の人生を追っていくような形式の小説の為、読み易いと思う。
テーマも少し分かりやすくなっていると思う。
文章も長編小説にしては短めなので、お手軽に読める。

2.海辺のカフカ
暗く重苦しいムードを客観的にとらえていくという、変化の見られる作風。
上下巻にわかれていて、確かにしゃくこそ長いが、それを感じさせない。
主人公が低年齢なので、若い人も読み易いかも。
実際自分はここからハマった。
生々しい描写や、世界が余りにも暗いので、それでヒいちゃう人もいがちだろうが。

3.羊をめぐる冒険
僕の中でずっと好きな小説。
文章は平淡で、確かに「何も起きなさげ」だが、きちんと起承転結もついていて、良い。
ストーリーも洗練されていて、若さを感じる。
…ただ、所謂「羊三部作」のラストのため、これから入るのは避けたほうが良いだろう。
これを読むなら、最初に「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」も読むべき。

4.アフターダーク
文体が「がち」っと固まっている。
だが、それ故の堅苦しさと言うものを感じさせない。
夕方から朝にかけての一日の出来事を引き延ばして描写している。
ダークな作風で、それが一つの魅力。

5.風の歌を聴け
処女作。短め。「羊三部作」第一作。
断片的で込み入った作風のため、少し内容は理解しにくい。
しかし、文章は平易で、そこから解釈を深めていく作業が楽しい小説でもある。

6.ノルウェイの森
大ヒットした長編小説。
文章自体はとても読み易いが、テーマは入り組んでいて、それがまた難し気味。
読んだ後の「なにかを失くしてしまったような」、そういう読後感がある意味爽快。まさに喪失感。
人が死ぬ。重苦しい。

7.1973年のピンボール
様々な話が平行に進んでいくと言った形を取られている小説。
「羊三部作」第二作。
テーマはあるのか?

8.ダンス・ダンス・ダンス
「三部作」の続編。
活字の量が非常に多い。そのため敬遠されるかも。
長い中で、これまた入り組んだ人間関係が描かれているため、難解。

9.世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
寂しげな世界観が何とも言えず良い。
最高傑作との呼び名も高い名作である。
章ごとに「世界の終り」「ハードボイルド・ワンダーランド」が入れ替わり、一人称も変化する。
その世界がだんだんと交差していく様は素晴らしい。
ただ、尺が長く、ハードボイルドな世界がクセがあるのと、ところどころとても難解な部分がある。
何度も読み直せる魅力がある。

10.ねじまき鳥クロニクル
3部作で、すべての謎が解けずに後々まで残される(読者の解釈にまかされる)ところが特徴。
こういった形式はもの凄く好きなんだけれど、とてつもなく難解。まだ良くわからない部分が多数。解釈本もこじ付けのような部分が多いし。
巨大な暴力(例えば戦争のような)と残虐性が所々に見られるのがヒかれるポイントか。
「第一部と第二部」、「第三部」と言う感じに話が分かれている。そして、主人公は求めるものを完全に取り戻せてはいない。
いろいろなものを受け入れれば超大傑作。春樹に慣れたら絶対に読むべき。

11.スプートニクの恋人
題名の割にはものすごく重く、わかりづらい小説。
実際僕も、何十回と読み直してもまだ良くわかっていない。
この小説の持つ、実験性と、痛みと血の匂いが嫌いな人もいる。
ただ、自分は好き。
文章の流麗さや、ところどころの比喩の素晴らしさ。
どこか主人公の「ぼく」と我々との距離感が。

「恋空」を読んでみた

一応moreタグ入れておく。
「恋空」を愛しているという人にとって不快になる文章があります。注意してください。

(いったん批評を書いた後での追記)
今見てみると、なんだか個人的な感情も交えた批評になっちゃってるなあと思った。
というわけで、いったん文章を消してみます。

携帯小説を好かないと言うスタンスは変わりません。
携帯電話と言うフォーマットがあまり好きになれない。友達とメールするのは好きだけど。
というわけで、これから村上春樹の「東京奇譚集」を読みます。

村上春樹 – 「海辺のカフカ」

小説のレビュー。
村上春樹氏(以下敬称略)の「海辺のカフカ」。

村上春樹はある意味「内閉的」な作品を書くヒトだと思う。
若者が心の奥底に隠している「魔物」のようなものを、その文章によって抉り出して、晒し出していると思う。
それがウケる理由じゃないかな。
たまに外に飛び出したりする作品も書くのだけど、そちらも何とも言いようのない寂しさに満ちている。
この「海辺のカフカ」という作品は、前者のパターンと後者のパターンが入り交じっているように思える。
主人公である15歳の少年は、家出をする。
というわけで少年は、「外の世界」へと旅立っていく。
少年は「直感」で四国に行くことになるのだが、そこで宿命的な出会いが待っている…。

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